梨状筋症候群でお悩みの方へ藤沢北口カイロプラクティック 整体・骨盤矯正サロン
梨状筋は、尾骨の上にある三角形の仙骨と大腿骨の付け根の大転子とをつなぐ筋です。この梨状筋が原因で生ずる鈍痛が梨状筋症候群といわれるものです。
3つの構成要素:梨状筋症候群を引き起こすと考えられる3つの明確な条件が現在明らかになっています。
1.梨状筋におけるトリガーポイントからの関連筋膜痛
2.大坐骨孔における梨状筋によって神経および血管が圧迫されること
3.仙腸関節の機能障害
坐骨神経が骨盤から下肢に至る経路は4タイプに分類されます。
1. 全ての坐骨神経が梨状筋の前を通る(85%)
2. 総腓骨神経が梨状筋を貫通し、脛骨神経が梨状筋の前を通る(10%)
3. 総腓骨神経が梨状筋の後を通り、脛骨神経が梨状筋の前を通る(3%)
4. 坐骨神経が神経幹として梨状筋を貫通する(1%)
弛緩した梨状筋が大坐骨孔の限られた間隙に,一杯に納まっているときには,それが短縮または収縮すると,それに伴っている神経や血管が圧迫されることは避けられません.大きな筋が孔をふさいでいて,それが活性のトリガーポイントによって収縮すると,筋膜の関連痛に加えて神経および血管の圧迫症状に至ります。それは、坐骨神経と梨状筋との位置関係によって影響を受ける部位も異なってきます。
仙腸関節のずれが梨状筋の筋膜のトリガーポイントと相互に作用して自動的に持続する関係を確立するのかもしれません。トリガーポイントによって引き起こされた筋の緊張の持続がその関節のずれを維持し,そしてその関節のずれによりもたらされた機能障害が梨状筋のトリガーポイントを永続化するもののようにみえます。このような状況では,両方の状態を共に矯正することが必要です。
梨状筋症候群の3要素,すなわち筋膜のトリガーポイント,神経血管の圧迫・絞拒,および関節の機能障害は,それぞれ異なった,しかし,しばしば重複した症候の原因となっています。
梨状筋症候群の症状
痛み(および知覚異常)が,下背部,鼠径部,会陰部,殿部,腰の部位,後大腿部と下腿部,足部,および排便時の直腸などについて報告されています。
症状は,座った姿勢や,腰を長時間屈曲させ同時に内転そして内旋させた状態を続けること,または活動することにより悪化します。
羅患率に見られる梨状筋症候群の患者の数は,椎間板ヘルニアによる神経根障害の患者よりも多く、梨状筋症候群の患者のうち女性の男性に対する比率は6:1です。
梨状筋の筋膜のトリガーポイントに直接的に由来する痛みには,下背部の痛み、殿部の痛み、腰部の痛み、それに後大腿部の痛があります。
上・下殿神経と血管の圧迫は,よくある殿部の痛みの原因となります、これらの神経がさらに危険な状態になると,殿筋の萎縮を引き起こすと考えられます。
仙腸関節の部位における痛みは,その関節の機能障害によることもあります。
後大腿の痛みのその他の原因として考えられるものには,大坐骨孔における坐骨神経または後大腿皮神経に対する圧迫があります。
坐骨神経の圧迫・拘扼は,下腿(ふくらはぎ)としばしば足部に投射される痛みと知覚異常の原因となることがあります。足部の無感覚や姿勢感覚の喪失のための足底を広げた運動失調性の歩行も見られています。
大転子のすぐ後方の痛みは,双子筋,内閉鎖筋,および大腿方形筋の神経の圧迫・拘扼の結果であることがあります。
鑑別診断
梨状筋筋膜痛症候群は,そのトリガーポイントから投射される特有な痔痛パターンで,腰を90°に曲げて大腿を外転させる際の抵抗力の弱きと痛み,外部触診を用いての梨状筋の過敏点の発見,および骨盤内診察による緊張帯と過敏点の触診によって確認されます。
大坐骨孔を通過する神経の分布における知覚異常や異感覚,および大腿の中間部より先に広がる感覚の障害がある場合は,神経の圧迫・絞糎が疑われます。
仙腸関節のずれは,梨状筋の筋膜痛症候群を伴っていることが多く、そしてそれは骨盤捻転という理学的徴候によって認められます。
日常生活での対処法(梨状筋ストレッチ)
悪い方の脚の膝を曲げて反対側の膝の横にに足を移します。一方の手を曲げた脚の大腿にもう一方の手を骨盤に置いて,両手で下方に圧力を加え梨状筋をストレッチします。
はじめ膝に置いた手をそっと押し戻すように息を吸いながら数秒間試み梨状筋を収縮させます。
次に力を抜いて大腿をゆっくりと息を吐きながら内転させて梨状筋を徐々に伸張させます。